2022年02月27日

to Russian Soldiers

Change the war against Ukraine to Civil War. 
posted by ドリフターズ at 10:29| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月23日

跳べ!

重力の魔に対しては、だれもが抗しきれないが、人のとる動作の中で、跳躍が最も美しい。
posted by ドリフターズ at 10:17| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月12日

成人式

成人式には出なかった。何を今さらしゃらくせえ と思った。大人とは互角な応酬をちっちゃな頃からしてきたんだ、という自負があったからだ。こちらを子供だと思ってなめてかかってくる大人には反撃を試みた。二歳の私に向かって「坊や いくちゅ?」などと訊いてくる者には、十倍のサバを読んで「二十歳です」と答えたものだった。
posted by ドリフターズ at 10:52| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月11日

無罪?

造反有理
革命無罪
……因縁無罪
posted by ドリフターズ at 17:48| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月01日

さらば 友よ

最前列にいた僕は、後ろのデモ隊に押しに押されて、ジュラルミンの盾を前面に立てて横に並んだ機動隊と、額を突きあわせるほどに接近した。僕の真正面には、両側から巨漢に挟まれた、痩せっぽっちで色白の隊員が、ぼーっと立っていた。沈黙のうちに中休みじみた膠着状態が続いた。隊員たちは、防護面をヘルメットまで上げ、顎帯を喉まで下ろしていた。僕は、退屈のあまり、好奇心も手伝って、目の前の、その機動隊員に話しかけた。
「どこから来たんだよ」
近県から、大量に動員されたことは知っていた。
「埼玉」
彼は一瞬僕と目を合わせたがすぐ目を左にそらせた。
「いつから?」
「おととい」
また一瞬目を合わせたがすぐ右にそらせた。
「いくつだ?」
「十九」
僕より二歳下だ。
彼の横顔を見つめていると、嫌がっているのか、苦しそうに上を見た。真冬の青空が広がっているのは、僕は見ないでも知っている。
彼の突き出した顎には、1センチ近くに伸びた無精ひげが疎らに生えていた。彼はかすかにうなって、後ろを向き、盾を抱えたまま装甲車の方に行ってしまった。僕は、不愉快な思いをさせたかなと反省した。彼は、装甲車の横で立ち止まり、装甲車の腹に盾を立てかけると、ちょいと踵を挙げて、車輪に向かって放尿し始めた。特に咎める者はいない。横から腕が伸びてきて、もっと車体に近づけというように肩を小突いたが。やや意外だったが、彼は僕の前に戻ってきた。
僕は彼の横顔を眺めながら問いかけた。
「ほかに道はなかったのか」
言ってしまって、ああっ、と思って、すぐ続けた。
「立小便のことじゃない。機動隊以外に道はなかったのかっていう意味だよ」
彼は、キッと顔を正面に向け、僕を凝視した。だから僕は、彼がキレて怒りの言葉を憤然と言い放つと思った。だが、彼はすぐにうつむいて、つぶやいただけだった。
「ない」
いつの間にか、装甲車の屋根の上ににある、金網に囲まれた指揮台に、隊長が登っていた。彼は、拡声器のメガフォンを掴んで、放送を始めた。中休みの前、冷静を装った説得調の威嚇演説は、デモ隊から野次の総攻撃を受けた。ボキャブラリー貧困!、言ってることが矛盾してるぞ、バカヤロー!等々。ついに隊長は堪忍袋の緒が切れて、こちらから見ても分かるほどに頬を赤くして、支離滅裂に喚き散らした。デモ隊は、手を叩いて大笑いしたものだ。
装甲車の後方からこちらに向けて一斉に催涙弾が発射された。同時に、機動隊員たちは、ゴリラのドラミングよろしく盾を警棒でたたきながら、鬨の声を大声で上げて押し寄せてきた。隊長は、即刻逮捕、即刻逮捕と、連呼する。僕らは目と鼻を押さえながら大急ぎで逃げ始めた。僕は、途中で振り返って、指の間から後ろを覗った。彼は出遅れたのか、機動隊員の群れの中に埋もれて、もう見えなくなっていた。

さらば 友よ
posted by ドリフターズ at 10:54| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月24日

洪水は我が魂に及び、書評 反体制と想像力



 主人公の勇魚は、かつてその販売企画担当員だった核シェルターで、障害を持つ息子ジンと共に隠遁生活を送っている。彼は、樹木の魂、鯨の魂の代理人であると自認している。ジンは、テープレコオーダーの鳥の声を聴くと「OO(鳥の名)、ですよ」と当てる特殊能力を持っている。彼らと湿地帯を隔てて対峙するのが、「自由航海団」と称する、社会からドロップアウトした若者たちだ。近い将来発生する天変地異に乗じて公海へ船出しようと企んでいる。本作は、勇魚と若者たちの対決、和解、相互承認、連帯、共闘に至る過程を物語る。外見的には、連合赤軍あさま山荘事件を思い起こさせる。実際、強盗、軍事教練、リンチ殺人、機動隊との銃撃戦(例の鉄球も出てくる)等、エピソードには周知のものが多い。しかし、内容は異なる。自由航海団には、連赤のもつ教条主義、硬直性、自閉性がない。議論が活発であり、命令系統がない。団員は、個人の自由意思で参加している。この点は、全共闘に通じる。
 勇魚と若者たちが世代を超えて共闘に至れたのは、反体制意識だけでなくヴィジョンに生きるという本能を共有していたからである。その意識も本能も廃れた現在の私たちに打撃を与える場面が数々ある。例えば最終章。地下室に立て籠る勇魚は、人類が駆逐された洪水の中を、水中に立つ樹木を縫いながら、群れなす鯨が泳ぐ姿を想像する。鯨の鳴き声のテープを聴きながら、「鯨、ですよ」とつぶやく。ノアの洪水のイメージとは別に、実際には、機動隊の放水により、床の穴から泥水が吹き出てくる。上がってくる泥水の中から、勇魚は、自由への道におけるマチウさながら、自動小銃を連射する。
 特に、ナニモカモチュウブラリンノママデ、ソシテ無ダトイウ認識ガ、ナント広ク自由ナトコロへオレヲ突出シテクレルコトダロウ……という一節に私は感銘を受けた。
 当時の状況に対して、知識人がどう反応したかによって、その人物の、それ以前の教養のレベルが暴露され(自分探しの旅、百姓一揆、性的不満の爆発等のたわごとがはびこった)、旗幟を鮮明にすることによって、以後の評価が決定した感がある。
 三島は、不安のあまり、劇駒の挑発に意志的に乗り、900番(もとの610番)教室まで出向いてきた。大江は戦後民主主義の子供だとの自称を全共闘に嘲笑され、自己批判した末に、この作を書いた。両者の評価は定まったが、三島はともかく、大江についてはあからさまには誰もその内容を語らない。
posted by ドリフターズ at 22:29| 小説/文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする